判例時報 2008年4月21日
判例時報
平成20年4月21日発行
発行通巻1995号
編集人:下平健一
発行人:判例時報社
雑 誌:26333-4/21
ISSN:0438-5888
判例時報細目次
◆記 事◆
取調べ録画制度における映像インパクトと手続法的抑制策の検討………指宿 信
先輩から聞いた話(三)
―――岡垣 學さん………渋川 満
現代型取引をめぐる裁判例(205)………升田 純
海外刑法だより(275)
強盗罪と強盗致傷罪………森下 忠
◆判例特報◆
一 世田谷区清掃・リサイクル条例三一条の二、七九条一号の規定は、犯罪構成要件としての
明確性及び公示性を欠き、憲法三一条に違反するか(消極)
二 世田谷区清掃・リサイクル条例三一条の二、七九条一号の規定は、営業の自由を侵害し、
憲法二二条一項に違反するか(消極)
三 世田谷区清掃・リサイクル条例三一条の二、七九条一号の規定は、憲法一四条一項に
違反するか(消極)
四 世田谷区清掃・リサイクル条例三一条の二、七九条一号の規定は、民法二三九条一項、
廃棄物の処理及び清掃に関する法律七条一項ただし書に抵触し、憲法九四条、地方自
治法一四条一項に違反するか(消極)
―――世田谷区清掃・リサイクル条例事件控訴審判決
((1)東京高判19・12・10、(2)東京高判19・12・26、
(3)東京高判20・12・18判決、(4)東京高判20・1・10判決、
(5)東京高判19・12・13)
◆判決録◆
=行 政=
◎普通地方公共団体が、土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の
履行として、当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結することが違法と
なる場合
(最二判 20・1・18)
▽特定の国会議員が訪米した際に行われた会食及び供応に関する支出証拠等の行政文書の開示を
求める求に対し、外務大臣が、情報公開法八条に基づき、対象文書の存否を明らかにしないで
請求を拒否したことが違法とされた事例
(東京地判 19・9・20)
=民 事=
◎一 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法二二〇条三号所定の
いわゆる法律関係文書に該当するとされた事例
二 被疑者の勾留請求の資料とされた告訴状及び被害者の供述調書が民訴法二二〇条三号所定の
いわゆる法律関係文書に該当するとして文書提出命令が申し立てられた場合に、刑訴法四七
条に基づきその提出を拒否した上記各文書の所持者である国の判断が、裁量権の範囲を逸脱
し又はこれを濫用したものとされた事例
(最二決 19・12・12)
○医療事故につき業務上過失致死罪で起訴され一審で無罪判決を得た医師が、任意同行される姿の
隠し撮りと共に逮捕時の警察発表等に基づく報道をした報道機関に対して求めた名誉毀損等に基
づく損害賠償請求が棄却された事例
(東京高判 19・8・22)
▽土地の売買契約について、地中に建築資材等の廃棄物が埋設されていたことが隠れた瑕疵に当たる
として、売主に対する損害賠償請求が認容された事例
(東京地判 19・7・23)
▽株価操作が行われていたいわゆる「仕手株」の購入者に対し当該株価操作を行った者及びその者の
意を受けてその購入を勧誘した者の不法行為が肯定された事例
(東京地判 19・10・5)
▽行政書士会での政治資金規正法上の政治団体に寄付を承認する総会決議は、同会の目的の範囲外の
行為であるとして、同会会員が同会に対して求めた決議無効確認請求と損害賠償請求が斥けられた事例
(神戸地尼崎支判 19・7・17)
▽市立中学校教諭の生徒に対する体罰事件について、国家賠償法上の費用負担者である県が、被害
生徒に支払った賠償金の求償金として求めた学校設置者である市に対する請求が認容された事例
(福島地判 19・10・16)
▽日本に居住する有責外国人の夫が、日本国籍の妻に対し、自国の裁判所で離婚判決を得て離婚の
届出をした場合において、同離婚判決は日本の公序良俗に違反して無効であるとし、同届出によ
る離婚が無効とされた事例
(東京家判 19・9・11)
=知的財産権=
◎昭和二八年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物の著作権の存続期間
(最三判 19・12・18)
▽一 本件発明が解決する課題の存在を認識することは当業者にとって容易になし得ることであり、
当業者が当該課題の存在を認識した場合には周知技術を用いて本件発明の構成に至ることは
容易であるとして、発明の進歩性が否定された事例
二 薬を包装する金色の分包包装体及び銀色のPTPシートの外観について不正競争防止法二条
一項一号の商品等表示性が否定された事例
(東京地判 18・5・25)
=商 事=
◎商法(平成一七年法律第八七号による改正前のもの)二六六条一項五号に基づく会社の取締役に
対する損害賠償請求権の消滅時効期間
(最二判 20・1・28)
=労 働=
◎郵政事務官として採用された者が、禁錮以上の刑に処せられたという失職事由が発生した後も
約二六年一一か月にわたり事実上勤務を継続した場合に、国(旧日本郵政公社)、郵便事業株
式会社が逐次その地位を承継)において上記の者が国家公務員法七六条、三八条二号に基づき
失職した旨を主張することが、信義則に反し権利の濫用に当たるということはできないとされ
た事例
(最一判 19・12・13)
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