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2005年7月18日 (月)

「風雲児たち」と「ふぉん・しいぼるとの娘」

 みなもと太郎「風雲児たち」の連載で江川太郎左衛門英竜の死去についてはすこし前にこのブログでもふれた。

 この江川の顔は現在に残る肖像画をある程度意識してつくられたキャラクターであった。

 このほかのキャラクターでは肖像画を意識したものとみなもと太郎のもともとからのキャラクターの顔をつかったものとが混在している。

 男性陣だと吉田松陰・坂本竜馬などがみなもとキャラである。

 女性陣はほとんどみなもとキャラと思われる。

 初期の静ちゃん(保科正之の母)とおイネの顔は共通している(と思われる。ちがっていたらごめんなさい)

 現在の「風雲児たち」のヒロインはオランダおイネであろう。

 おイネはのちに医大の設立等に努力するし、大村益次郎の最期をみとったりするわけである。

 筆者は岡山市在住であるが、勝山には仲人がすんでいる。おイネの産婦人科学の師匠である石井宗謙はシーボルトの弟子でおイネの師匠ということで地元では尊敬されていた。

 しかるに風雲児たちではおイネをてごめにする場面が描かれている。

 これは史実としては吉村昭の発見らしく、「ふぉん・しいぼるとの娘」でくわしく描かれている。20世紀後半の発見といえる。

 おイネの母娘関係の不自然さについては歴史上ずっと謎だったわけであるが、この指摘によってある程度謎解きがなされたわけである。

 石井側からすれば名誉を毀損するものであるが、死者の名誉毀損の場合、名誉毀損が成立する要件は明らかな虚偽について悪意をもってなすことが必要であり、歴史上の十分な資料にあたっての結論であれば、それが成立することは困難であろう。

(このほか、名誉毀損訴訟については遺族全員が提起する必要があるのか否かというような細かな論点も生じてくる。)

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