判例時報1896号 平成17年8月21日
判例時報
平成17年8月21日号
発行通巻一八九六号
編集人:下平健一
発行人:判例時報社
雑 誌:26333-8/21
ISSN:0438-5888
判例時報細目次
◆記 事◆
依頼者主権論と実務上の懸隔………今井敬彌
現代型取引をめぐる裁判例(144)………升田 純
最高裁民事破棄判決等の実情(2)
―――平成一六年度………松並重雄・阪本 勝
海外刑法だより(243)
キリスト教あれこれ話………森下 忠
◆判例特報◆
一 消費者金融業者の業務内容を告発する書籍の内容につき、真実性又は相当性が認められるとして
名誉毀損に基づく責任が否定された事例
二 名誉毀損訴訟の批判的言論の抑圧を目的とした違法なものであるとして、不法行為責任が肯定された事例
三 当事者本人が当事者尋問の期日に正当な理由なく欠席した場合に、民事訴訟法二〇八条の適用が肯定された事例
(東京地犯判 17・3・30)
◆判決録◆
=行政=
◎訴えの取下げと地方自治法(平成一四年法律第四号による改正前のもの)二四二条の二項第七項にいう
「勝訴(一部勝訴を含む。)した場合」
(最三判 17・4・26)
=民 事=
◎一 弁護人から検察庁の庁舎内に居る被疑者との接見の申出を受けた検察官が同庁舎内に接見の場所が存在
しないことを理由として接見の申出を拒否することができる場合
二 検察官が検察庁の庁舎内に接見の場所が存在しないことを理由として同庁舎内に居る被疑者との接見の
申出を拒否したにもかかわらず弁護人が同庁舎内における即時の接見を求め即時に接見をする必要性が
認められる場合に検察官が執るべき措置
三 弁護人からの検察庁の庁舎内に居る被疑者との接見の申出を受けた検察官が同庁舎内に接見の場所が
存在しないことを理由として接見の申出を拒否するに際し立会人の居る部屋でのごく短時間の「接見」
であっても差し支えないかどうかなどの点についての弁護人の意向を確かめることをせず右申出に対
して何らの配慮もしなかったことが違法とされた事例
(東京高判 17・4・19)
○東京拘置所に勾留中、脳梗塞で倒れた男性が、東京拘置所の係官は、脳梗塞の発症後、すぐに専門病院などに
転院させ、血栓溶解療法などを受けさせるべきであったのに、その転医義務を怠ったため、後遺障害が残った
などとして提起した国家賠償請求に対し、脳梗塞の発症時期等からすれば、転医によって血栓溶解療法を施す
ことが可能であったことは認め難いとして、請求を一部認容した原判決を取り消し、請求が棄却された事例
(東京高判 17・1・18)
▽執行免税を疑わせる事情のある不動産売買契約について虚偽表示の成立が認められなかった事例
(東京地判 16・10・7)
▽不動産小口化商品の購入者の販売業者、金融機関等に対する適合性原則違反、説明義務違反を理由とする損害
賠償請求が認められなかった事例
(東京地判 16・11・2)
▽一 破綻した信用金庫に対する日銀の所見通知の写しの一部につき、同信用金庫に対する文書提出命令が
認められた事例( (1)事件)
二 破綻した信用金庫に対する日銀の所見通知の控えの写しの一部につき、日銀に対する文書提出命令が
認められた事例( (2)事件)
三 破綻した信用金庫に対する財務局の検査に関する示達書の原本又は控えの写しの一部につき、国に対する
文書提出命令が認められた事例( (3)事件)
( (1)大阪地決 16・10・13、(2)大阪地決 16・10・13.、(3)大阪地決 16・10・13)
▽県立高校の野球部員が練習中に他部員のスイング修正練習中に放投したバットが左眼にあたり失明した事故につき、
県の国賠責任が認められた事例
(福岡地小倉支判 17・4・21)
=知的財産権=
▽一 被告の取締役が、業務の過程で、取引先の社員に対して、原告商品は、被告商品に類似するので、原告及び
原告と取引をしている者を訴えると告知した行為が、不正競争防止法二条一項一四号の不正競争行為に当た
るとされた事例
二 女性ドール用素体の形態が不正競争防止法二条二項一号の「商品等表示」に当たらないとされた事例
(東京地判 16・11・24)
=刑 事=
▽一 刑訴法三四九条の二第一項に基づく求意見に対する回答について成人である被請求人から委任を受けた
母親のした刑の執行猶予言渡しの取消し決定に対する即時抗告の適否
二 刑の執行猶予言渡しの取消決定に対する即時抗告について被請求人から権限の委任を受けた母親が被請求人を
代理してした即時抗告の適否
(最一決 17・3・18)
▽被告人車が対向車線上を走行したことにより正面衝突事故が発生し複数の被害者が傷害を負ったという事案につき、
被告人は、当時罹患していた睡眠時無呼吸症候群に事故当日の身体的・精神的負担が重なって予兆なく急激に睡眠
状態に陥っていたため、前方注視義務を履行できない状態にあったと合理的な疑いを払拭できないなどして無罪が
言い渡された事例
(大阪地判 17・2・9)
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