判例時報1918号 平成18年4月1日
判例時報
平成18年4月1日号
発行通巻一九一八号
編集人:下平健一
発行人:判例時報社
雑 誌:26331-4/1
ISSN:0438-5888
判例時報細目次
◆記 事◆
◆判 決 録◆
=行 政=
◎外国税額控除の余裕枠を利用して利益を得ようとする取引に基づいて生じた所得に対して
課された外国法人税を法人税法(平成一〇年法律第二四号による改正前のもの)六九条の
定める外国勢額控除の対象とすることが許されないとされた事例
(最二判 17・12・19)
=民 事=
◎同順位の根抵当権者の一人が提出した不動産競売事件の申立書の被担保債権及び請求債権の
部分における「金八億円 但し、債権者が債務者に対して有する下記債権のうち、下記債権
の順序にしたがい上記金額に満つるまで。」との記載が被担保債権の一部について担保権の
実行をする趣旨の記載ではないとされた事例(最一判 17・11・24)
○同一の交通事故により双方当事者に損害賠償債権が発生した場合、保険会社は、保険代位により
得た保険契約者の損害賠償権に基づき、他方当事者の損害賠償債権に対して差押えの申立てをす
ることができないとされた事例(大阪高決 17・7・6)
○執行債権が第三者により仮差押えされても、執行債務者は、強制執行としての債権差押命令の
取消しを求めることはできないとされた事例(大阪高決 17・7・6)
▽区分所有法六三条四項に基づく売渡請求権の行使により敷地利用権である賃借権が移転した場合に、
借地借家法二〇条の類推適用が認められた事例(東京地決 17・7・19)
▽保険会社が交通事故の被害者に対して損害賠償保険金の支払手続をするにあたって、被害者との
間の委任契約に基づいて被害者が受診した病院から被害者の診療情報を得るに際し、同手続を第
三者に委託したことが違法ではないとされた事例(東京地判 17・7・29)
▽刑務所の刑務官が勾留中の収容者に対し他の収容者に関する個人情報を提供し、携帯電話を貸与
する等したことから、右収容者が右他の収容者の妻から保釈保証金等の名目で金銭を詐取した事
件につき、国の国家賠償責任が肯定された事例(東京地判 17・6・8)
▽町議会の議員辞職勧告決議及び同決議の広報誌と新聞への掲載が右議員の名誉を毀損する不法行為
に当たらないとされた事例(札幌地岩見沢支判 17・4・7)
▽県立聾学校中学部の生徒が学校の体育大会に向けての練習中に、指導補導する教諭より暴行を受けて、
心身共に傷害を受けたとして求めた県に対する損害賠償請求が認容された事例
(神戸地判 17・11・11)
▽原子力発電所の建設計画予定地内の共有地について、建設計画をする開発会社が、原子力発電所
建設反対の共有者らに対して求めた共有物の価格賠償による分割請求が認容された事例
(青森地判 17・5・10)
=知的財産権=
▽損害賠償請求の損害額について、特許権の共有者のうちX1については、特許法一〇二条二項が適用され、
X2については、発明の実施に用いる製品を製造販売等していないとして同条項を適用せず、同条三項を
適用して損害額が算定された事例(東京地判 17・3・10)
▽「愛眼 天神」「天神愛眼」「愛眼ビル 天神」と「メガネの愛眼」「AIGAN」「愛眼」の商標の
類否について判断された事例(大阪地判 17・5・26)
=商 事=
▽生命保険契約上の保険契約者の地位の譲渡につき、保険会社に同意すべき義務がないとされた事例
(東京地判 17・11・17)
=刑 事=
○一 家庭裁判所に起訴された児童福祉法違反(児童淫行罪)の訴因と地方裁判所に起訴された児童売春等処罰
法違反(児童ポルノ製造罪)の訴因とが実体的にいわゆるかすがい現象同様の関係にある場合の、かすが
いに当たる児童淫行罪を起訴しない検察官の措置の効力
二 児童ポルノ製造罪の構成要件である「児童に姿態をとらせる」行為を罪となるべき事実に明記しなかった
ことには理由不備の違法があるとして破棄自判された事例(東京高判 17・12・26)
▽BSE騒動によって打撃を受けた食肉業界を救済するための緊急保管対策事業を悪用して、多額の補助金を
得るなどした事案について、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反の罪の成立範囲は、制度
の対象外牛肉に係る不正な受給部分に限られるとされた事例
((1)・(2)事件)
((1)大阪地判 17・5・11、(2)大阪地判 17・5・27)
◆最高裁判例要旨(平成一八年一月分)
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