判例時報1930 平成18年7月21日
判例時報
平成18年7月21日号
発行通巻一九三〇号
編集人:下平健一
発行人:判例時報社
雑 誌:26333-7/21
ISSN:0438-5888
判例時報細目次
◆記 事◆
現代型家事調停事件の性格と家事調停の課題(下)
―――家裁調査官による「実践的家事調停論」………飯田邦男
現代型取引をめぐる裁判例(166)………升田 純
海外刑法だより(254)
米国人における人身売買………森下 忠
◆判例特報◆
志賀原発二号原子炉の運転により周辺住民が許容限度を超える放射線被ばくする危険性がある
として同原子炉の運転差止請求が認められた事例
―――志賀原発運転差止民事訴訟第一審判決(金沢地判 18・3・24)
◆判 決 録◆
=行 政=
◎一 旭川市介護保険条例(平成一二年旭川市条例第二七八号。平成一五年旭川市条例第二〇号
による改正前のもの)が介護保険の第二一号被保険者のうち一定の低所得者について一律
に保険料を賦課しないものとする旨の規定又は保険料を全額免除する旨の規定を設けてい
ないことと憲法一四条、二五条
二 介護保険法一三五条の規定による介護保険の第一号被保険者の保険料についての特別徴収
の制度と憲法一四条、二五条
(最三判 18・3・28)
◎農作物共済に係る共済掛金等の具体的決定を農業共済組合の定款等にゆだねている農業災害
補償法(平成一一年法律第一六〇号による改正前のもの)一〇七条一項、農業災害補償法
(平成一五年法律第九一号による改正前のもの)四三条一項二号、八六条一項、八七条一項、
農業災害補償法四五条の二、八七条三項と憲法八四条
(最三判 18・3・28)
▽原子爆弾の被爆者に対する援護に関する法律に基づく葬祭料支給申請について、被爆者の死亡
の際の居住地が海外であることを理由とする却下処分が取り消された事例
(長崎地判 17・3・8)
=民 事=
◎婚姻費用の分担額につき、いわゆる標準算定方式による算定が是認された事例
(再三決 18・4・26)
◎銀行の本部の担当部署から各営業店長等にあてて発出されたいわゆる社内通達文書であって
一般的な業務遂行上の指針等が記載されたものが民訴法二二〇条四号ニ所定の「専ら文書の
所持者の利用に供するための文書」に当たらないとされた事例
(最二決 18・2・17)
○ゴルフ場経営会社につき再生手続開始の申立てと更正手続開始の申立てが競合した場合において、
再生手続によることが債権者の一般の利益に適合するとし、更正手続開始の申立てを棄却すること
が相当とされた事例
(大阪高決 18・4・26)
▽一 医師ががん患者に対し新免疫療法によるがん治療を行ったにもかかわらず、がん患者が死亡
した場合に、右療法の治療効果等についての説明義務違反が認められた事例
二 右療法の一環として使用された健康食品を販売した会社が、右医師と実質的に一体として
右療法を実施しているとして、右説明義務違反の共同不法行為責任が認められた事例
(東京地判 17・6・23)
▽一 弁護人は、謄写した刑事事件記録を、被疑者ないし被告人に対して、閲覧又は交付すべき
義務はないとされた事例
二 弁護人が謄写した刑事事件記録の所有権は弁護人に帰属するから、右記録を被疑者ないし
被告人に対して、開示、交付しなかったとしても、債務不履行又は不法行為には該当しない
三 弁護人が、謄写した刑事事件記録を、被告人が提訴した民事事件の相手方当事者の訴訟代理
人である弁護士に交付しても、債務不履行又は不法行為に該当しないとされた事例
(大阪地判 17・10・14)
▽自動車の購入の際、ローン設定のため所有名義を貸与した者について、自賠法三条の運行供用者
責任が否定された事例
(名古屋地判 17・12・21)
=知的財産権=
▽Xが作曲、編曲、実演したテレビ番組用楽曲の著作権及び実演家の著作権隣接権について、Yが
各楽曲を使用したテレビ番組を数次にわたり再放送等した行為が、各権利の侵害又は各楽曲の使
用許諾契約の債務不履行に当たるとする損害賠償請求(合計五億円)は棄却されたが、各楽曲の
一部についてXが著作権を有することの確認請求が認容された事例
(東京地判 17・12・22)
=商 事=
▽株式会社が他社と船舶一隻を共同所有・共同運航する趣旨の契約を締結することが必要的取締役会
決議事項である商法旧二六〇条二項の重要なる業務の執行に該当し、取締役会議を経ずに契約を締
結した代表取締役に対する株式会社からの損害賠償請求が認容された事例
(東京地判 18・4・26)
=労 働=
▽一 教員の転任処分取消訴訟の訴えの利益の存否について(消極)
二 転任処分に裁量権を逸脱した違法はないとされた事例
(東京地判 17・10・31)
=刑 事=
◎道路上で停車中の普通常用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した行為と同車に後方から走行
してきた自動車が追突して生じた被害者の死亡との間に因果関係があるとされた事例
(最一決 18・3・27)
▽被告人方付近の駐車場に駐車中の自動車に火を放ってこれを損壊したという事案について、捜査機関が
被告人方玄関ドア付近を被告人の承諾を得ずにビデオカメラで撮影して得たビデオテープの証拠能力が
肯定され、被告人が有罪とされた事例
(東京地判 17・6・2)
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