新行政事件訴訟法
―――逐条解説とQ&A―――
平成16年12月24日発行
共 著:福井秀夫/村田斉志/越智敏裕
発行者:新日本法規出版
ISBN:4-7882-0737-0 C3032
目 次
[序 説]行政事件訴訟法改正の背景と経緯
[逐条解説]
第1章 総 則
第1条 (この法律の趣旨)
第2条 (行政事件訴訟)
第3条 (抗告訴訟)
第4条 (当時者訴訟)
第5条 (民衆訴訟)
第6条 (機関訴訟)
第7条 (この法律に定めがない事項)
第2章 抗告訴訟
第1節 取消訴訟
第8条 (処分の取消しの訴えと審査請求との関係)
第9条 (原告適格)
第10条 (取消しの理由の制限)
第11条 (被告適格等)
第12条 (管 轄)
第13条 (関連請求に係る訴訟の移送)
第14条 (出訴期間)
第15条 (被告を誤つた訴えの救済)
第16条 (請求の客観的併合)
第17条 (共同訴訟)
第18条 (第三者による請求の追加的併合)
第19条 (原告による請求の追加的併合)
第20条
第21条 (国又は公共団体に対する請求への訴えの変更)
第22条 (第三者の訴訟参加)
第23条 (行政庁の訴訟参加)
第23条の2 (釈明処分の特則)
第24条 (職権証拠調べ)
第25条 (執行停止)
第26条 (事情変更による執行停止の取消し)
第27条 (内閣総理大臣の異議)
第28条 (執行停止等の管轄裁判所)
第29条 (執行停止に関する規定の準用)
第30条 (裁量処分の取消し)
第31条 (特別の事情による請求の棄却)
第32条 (取消判決等の効力)
第33条
第34条 (第三者の再審の訴え)
第35条 (訴訟費用の裁判の効力)
第2節 その他の抗告訴訟
第36条 (無効等確認の訴えの原告適格)
第37条 (不作為の違法確認の訴えの原告適格)
第37条の2 (義務付けの訴えの要件等)
第37条の3
第37条の4 (差止めの訴えの要件)
第37条の5 (仮の義務付け及び仮の差止め)
第38条 (取消訴訟に関する規定の準用)
第3章 当事者訴訟
第39条 (出訴の通知)
第40条 (出訴期間の定めがある当事者訴訟)
第41条 (抗告期間に関する規定の準用)
第4章 民衆訴訟及び機関訴訟
第42条 (訴えの提起)
第43条 (抗告訴訟又は当事者訴訟に関する規定の準用)
第5章 補 則
第44条 (仮処分の排除)
第45条 (処分の効力等を争点とする訴訟)
第46条 (取消訴訟等の提起に関する事項の教示)
別 表 (第12条関係)
附 則
第1条 (施行期日)
第2条 (経過措置に関する原則)
第3条 (被告適格に関する経過措置)
第4条 (出訴期間に関する経過措置)
第5条 (取消訴訟等の提起に関する事項の教示に関する経過措置)
第6条 (砂防法等の一部改正)
第7条 (供託法及び不動産登記法の一部改正)
第8条 (陸上交通事業調整法等の一部改正)
第9条 (地方自治法の一部改正)
第10条 (国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律の一部改正)
第11条 (消防法の一部改正)
第12条 (文部科省著作教科書の出版権等に関する法律等の一部改正)
第13条 (労働組合法の一部改正)
第14条 (漁業法の一部改正)
第15条 (郵便物運送委託法の一部改正)
第16条 (相続税法の一部改正)
第17条 (文化財保護法の一部改正)
第18条 (地方税法の一部改正)
第19条 (地方公務員法の一部改正)
第20条 (鉱業法の一部改正)
第21条 (鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律の一部改正)
第22条 (農業委員会等に関する法律の一部改正)
第23条 (土地収用法の一部改正)
第24条 (水産資源保護法の一部改正)
第25条 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び
区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する区域並びに日本国における合衆
国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部改正)
第26条 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約基づき日本国にあるアメリカ
合衆国の軍隊の水面の使用に伴う漁船の操業制限等に関する法律の一部改正)
第27条 (農山漁村電気導入促進法の一部改正)
第28条 (逃亡犯罪人引渡法の一部改正)
第29条 (日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律の一部改正)
第30条 (警察法の一部改正)
第31条 (地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正)
第32条 (自然公園法等の一部改正)
第33条 (水道法の一部改正)
第34条 (国税徴収法の一部改正)
第35条 (公共用地の取得に関する特別措置法の一部改正)
第36条 (国税通則法の一部改正)
第37条 (行政不服審査法の一部改正)
第38条 (商業登記法等の一部改正)
第39条 (後見登記等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第40条 (河川法等の一部改正)
第41条 (民事訴訟費用等に関する法律の一部改正)
第42条 (沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)
第43条 (たばこ事業法の一部改正)
第44条 (塩事業法の一部改正)
第45条 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)
第46条 (行政機関の保有する情報の公開に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第47条 (特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律の一部改正)
第48条 (独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の一部改正)
第49条 (年金積立金管理運用独立行政法人法の一部改正)
第50条 (検討)
[Q&A]
(1)総 論
1 改正法では,訴訟類型が増えていますが,権利利益の救済の観点からの,訴訟の途中での訴訟類型間の
変更は柔軟に認められるのでしょうか。
2 「処分その他公権力の行使)(3条2項)の範囲は今回の改正で変わるのでしょうか。
3 先行する行政行為の違法を後行行為の取消訴訟において争うことができるか,といういわゆる違法性の
承継の問題について,改正法により考え方が変わることとなるのでしょうか。
(2)4条 当事者訴訟
4 当事者訴訟の中に「公法上の法律関係に関する確認の訴え」を例示したことには,どのような意義が
あるのでしょうか。
5 確認訴訟はどのような場合に活用されることが期待されているのでしょうか。
6 実質的当事者訴訟(確認訴訟)と抗告訴訟はどのような関係にあるのでしょうか。
7 民事訴訟の確認訴訟と改正法4条の確認訴訟とはどこが違うのでしょうか。
8 行政計画や行政立法の違法を争うにはどうすればよいのでしょうか。
(3)9条 原告適格
9 改正法において,取消訴訟の原告適格について,法律上の利益の有無を判断するに当たっての
考慮事項を定めた趣旨は何でしょうか。また,考慮事項を定めることで,どういう場合に原告
適格が広く認められることになるのでしょうか。
10 改正法9条2項では,原告適格に関して,「処分又は裁決の相手方以外の者について」法律上の
利益の有無を判断するための考慮事項を定めていますが,考慮事項の考慮が必要な場合を「処分
又は裁決の相手方以外の者」に限っているのはどのような理由によるものでしょうか。
11 改正法9条2項の定める原告適格の考慮事項のうち,処分または裁決の根拠となる法令と「目的を
共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌する」こととした趣旨は何でしょうか。
処分の根拠法令と関係法令が「目的を共通にする」か否かは,どのようにして判断することになる
のでしょうか。また,「目的を共通にする関係法令」には,条例や憲法は含まれるのでしょうか。
12 改正法9条2項の定める考慮事項のうち,「当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた
場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものと
する」とはどういう意味でしょうか。このような事項を勘案することで,どのように原告適格が拡大す
ることになるのでしょうか。
13 原告適格について,今回考慮事項が加わりましたが,「法律上の利益」についての考え方が今までと
変わらず,結果としての原告適格の範囲がこれまでと変わらないということにならないのでしょうか。
14 改正前法の下では,都市計画に基づいて道路拡幅工事をするための都市計画事業の認可を争うことが
できるのは,事業地内の地権者だけであって,付近の居住者や通勤・通学をしている者には原告適格
が認められないという判例がありました。改正法ではこのような場合,原告適格が認められることに
なるのでしょうか。
15 原告適格の考慮事項として,「処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害される
こととなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度」を勘案することとすると,訴訟
入り口の問題である原告適格の判断の際に,訴訟のメイン・テーマである「処分が違法にされたかど
うか」という判断をしてしまうことになるのではないでしょうか。
16 これまでのどのような事例で原告適格が広がることになりますか。
17 これまでは,公益と私益を二分して後者が問題となる場合のみ原告適格を認めると考える傾向が強かった
と思われますが,今後は,公益と私益の中間にある集団的・拡散的利益についても一定の場合には原告適
格を認めることを期待して,法改正を行ったものであると理解してよいでしょうか。
(4)10条 取消し理由の制限
18 10条1項(自己の法律上の利益に関係のない違法主張の制限)の規定は,今後どのように運用される
のでしょうか。運用次第では原告適格を拡大した意味がなくなるのではないでしょうか。
(5)11条 被告適格
19 被告適格の改正によって,国民にとってどのような点で行政訴訟が使いやすくなるのでしょうか。
20 訴状に行政庁を記載しなければならないなど,行政庁を明らかにしなければならないとした理由は何
でしょうか。行政庁がはっきりとわからないときはどうすればよいのでしょうか。行政庁がはっきり
分からないときはどうすればよいのでしょうか。記載しないと何か不利益を被るのでしょうか。
21 行政庁が裁判上の一切の行為をする権限を有することを規定とした趣旨は何でしょうか。行政庁の権限
と国または公共団体の代表権との関係はどうなるのでしょうか。
(6)12条 管 轄
22 管轄裁判所の拡大については,改正によって,現行の制度とどのように変わることとなるのでしょうか。
また,原告の住所地の地方裁判所も含めるべきではないかという意見もありますが,高等裁判所の所在
地の地方裁判所とした理由は何でしょうか。
23 被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所を管轄裁判所に加え,行政庁の所在地と異なる普通裁判籍
の管轄を認めることによって,迅速・適切な訴訟の遂行に支障が生じないでしょうか。
24 特定管轄裁判所からの移送の規定を設けた趣旨は何でしょうか。また,「事実上及び法律上同一の原因
に基づいてされた処分又は裁決」とはどのようなものが考えられるのでしょうか。
(7)14条 出訴期間
25 出訴期間については,現行制度は,どのようになっており,改正によって,どのように変わることになる
のでしょうか。また,出訴期間を6か月とした理由は,どのような点を考慮したことによるのでしょうか。
26 取消訴訟の出訴期間を不変期間と定めていたことを改めて,正当な理由があるときは出訴期間を経過して
いても訴えを提起することができることとした理由は何でしょうか。また,「正当な理由があるとき」と
してはどのような場合が考えられるのでしょうか(14条1項ただし書関係)。
(8)23条の2 釈明処分
27 釈明処分の特則を設ける趣旨は何でしょうか。
28 23条の2の釈明処分の対象とされている「処分又は裁決の内容,処分又は裁決の根拠となる法令の条項,
処分又は裁決の裁決の原因となる事実その他処分又は裁決の理由を明らかにする資料」については,どの
ような資料を想定しているのでしょうか。
29 釈明処分の特則の制度を設けることで,現行法とどのように変わり,訴訟における主張立証に関して,
どのように国民の負担の軽減につながるのでしょうか。
30 資料の提出制度は,文書提出命令のような罰則などの制裁がありませんが,このような制度が実際に
機能するといえるのでしょうか。機能するといえるのであれば,その根拠はどのようなところにある
と考えられますか。
31 釈明処分の特則については,処分に関する一切の資料を対象とするわけではなく,処分がされていない
差止訴訟においては使えません。使える範囲が狭いため活用しにくいのではないでしょうか。
32 行政側が持っている資料に,第三者の営業秘密や個人のプライバシーにかかわる情報や公務員の職務上の
秘密にかかわる情報が含まれている場合は,提出を拒むことができると考えられるのでしょうか。
(9)25条 執行停止
33 改正法25条2項では,執行停止の要件を「回復の困難な損害」から「重大な損害」に変えるなどの
改正をしていますが,要件はどのように変わることになるのでしょうか。
34 「損害の回復の困難の程度を考慮する」(25条3項)とはどういう意味ですか。
35 「損害の性質・程度」,「処分の内容・性質」をそれぞれ勘案する(25条3項)とはどういう意味ですか。
(10)30条 行政裁量
36 改正で行政裁量についての審査方法が変わるのでしょうか。
(11)37条の2 申請等がない場合の義務付けの訴え
37 3条6項1号の義務付けの訴えは,どのような場合に活用できるのでしょうか。
38 「重大な損害」とは,どのようなものでしょうか。
39 義務付けの訴えの対象となる行政庁の処分は「一定の処分」と規定されていますが,これはなぜでしょうか。
40 「他に適切な方法がないこと」という補充性の要件が必要とされる場合は,例えばどのような場合なのでしょうか。
(12)37条の3 申請等がある場合の義務付けの訴え
41 3条6項2号の義務付けの訴えは,どのような場合に活用できるのでしょうか。
42 37条の3第6項にいう「より迅速な争訟の解決に資すると認めるとき」とはどのような場合なのでしょうか。
(13)37条の4 差止めの訴え
43 差止めの訴えは,どのような場合に活用できるのでしょうか。
44 差止訴訟と民事差止訴訟は,どのような違いがあるのでしょうか。
(14)37条の5 仮の義務付け・仮の差止め
45 仮の義務付け・仮の差止めの制度を新設した趣旨は何でしょうか。
改正前法では仮の義務付けや仮の差止めに当たる制度はあったのでしょうか。
46 「本案について理由があるとみえるとき」とはどのようなことをいうのでしょうか(37条の5第1項,2項関係)。
47 仮の義務付け・仮の差止めの制度では,「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があるとき」でなければ
申立てが認められないこととなっています。これでは要件が厳しすぎて,実際に認められることはほとんどないの
ではないでしょうか。
48 「仮の義務付け」,「仮の差止め」の手続は,どのような手続で行うのでしょうか。口頭弁論や証人調べなどを
行うのでしょうか。
49 「仮の義務付け」,「仮の差止め」は,「公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき」はできないと
されていますが,これはどのような場合を想定しているのでしょうか。
50 事後的に取消訴訟を提起して執行停止を受けることで損害を回避することができる場合でも,仮の差止めを求める
ことができるのでしょうか。
(15)38条,41条,43条,45条 準用関係
51 取消訴訟以外の抗告訴訟について,今回の改正に伴う取消訴訟の規定の準用関係はどのようになっているのでしょうか。
(38条1項,3項関係)。
52 当事者訴訟,争点訴訟について,今回の改正に伴う取消訴訟等の規定の準用関係はどのようになっているのでしょうか。
(41条,45条関係)。
53 民衆訴訟および機関訴訟については,今回改正された規定の準用関係はどのようになっているのでしょうか。
選挙訴訟,住民訴訟の被告適格は変わるのでしょうか。(43条関係)
(16)46条 出訴期間等の教示
54 出訴期間等の教示制度が新設されたとのことですが,どのような意味があるのでしょうか。
55 もし行政庁が間違った長い出訴期間を教示したり,出訴期間の教示をしなかったような場合は,
どのようになるのでしょうか。
(17)経過措置
56 改正法ではどのような経過措置が設けられているのでしょうか。
(18)改正後の課題
57 施行から5年後に見直しの検討がされることになったのはなぜでしょうか。
58 行政訴訟改革については,今後どのような課題が残されているのでしょうか。
[資 料]
1 行政事件訴訟法改正(平成16年法律84号)の新旧対照表
2 行政事件訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(衆議院)
3 行政事件訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院)
4 行政事件制度の一部を改正する法律について(概要)
5 概要図
6 行政訴訟制度の見直しのための考え方
7 行政訴訟制度の抜本的改革に関する緊急提言
8 「行政法制度等改革推進本部」設置を求める緊急提言
[索 引]
*事項索引
*判例年次索引
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